不動産売買仲介会社のホームページを社員が自力で作る方法(wordpress使用)

私はこれまでの経歴や人脈の流れで不動産会社からのホームページ製作依頼を多く受けてきました。一口に不動産会社といっても、実際の業務はいくつかの専門分野に分かれており、サイト制作もその内容によって様々です。

不動産会社の種類

不動産会社は大きく分けて下記のようなジャンルに分かれます。

  • 売買仲介系
  • 開発、建築、分譲系
  • 収益、投資不動産系
  • 賃貸仲介系
  • 賃貸管理系

もちろんこれらのいくつかを平行して運営している会社もありますが、ウェブサイトで何かしらの目的をもって訴求するのであれば切り離して考える(ページ製作する)べきでしょう。

今回はこの中の「売買仲介」サイトの作り方に焦点を当ててみます。

今このページを読んでいただいているあなたはおそらく不動産会社のウェブ担当者かもしれませんし、小規模な不動産屋さんの社長さんかもしれません。これから私が説明するのは、「自分の力で、できるだけコストをかけず、目的を果たせるホームページを作る方法」になります。また、WEB制作会社に依頼しようとしているならば、どのようなリクエストをするべきかの参考になるかと思います。

目的がすべて、と言っても過言ではない

一番重要なポイントは、ホームページを作る目的を明確にするということです。この「目的」ごとに私も説明します。現状に満足していて特に目的が無いのであれば製作したりリニューアルする必要は無いと思います。

不動産売買仲介において、ウェブサイトの目的となる項目を挙げてみると

  • 現在のホームページ(の何かの要素)が気に入らない
  • 集客(問い合わせ)を増やしたい
  • 物件紹介のページを作りたい
  • 物上げ(売却依頼)を増やしたい
  • エンドユーザーの信頼度をアップしたい
  • 取引業者へのアピール度をアップしたい
  • 良い人材を獲得したい

という感じでしょうか。では順番に検証します。

現在のホームページが気に入らない

例えば見た目が古臭くてリニューアルしたい、という場合ですが、デザイン重視のページをイメージするのであれば、中途半端に自分で頑張ろうとせず、ウェブデザイン会社に依頼しましょう。ウェブサイトの見た目を構成するのはテキストと画像・動画だけです。いくら高機能なテンプレートを導入しても、ハイセンスなビジュアルや動きのある素材の製作には専門スキルが必要となります。

自分(自社)で更新できるホームページにしたい、ということであればブログのシステムであるワードプレスを利用するのが最適です。ログインIDをパスワードがあれば、どこにいてもインターネットを使ってサイト更新し、情報を発信することができます。しかし、ワードプレスの導入と管理に少し知識が必要になります。これは頑張って勉強すれば習得可能なスキルかと思います。しかし日々実務に追われていて勉強する時間がなかったり、どうしてもPCやネットのことが苦手であれば、私のような個人でウェブサイトとサーバー関係を管理する人間や、業者などに依頼しても良いかと思います。

集客を増やしたい場合

買いたい人から問い合わせを得るためには、3つの側面から考えます。

1.物件情報をいかに目に触れさせるか

ですが、これはいわゆるポータルサイトへの登録をしっかり行うことが一番手っ取り早くて効果があります。デメリットとしては、掲載料金がかかるということです。媒体によっては反響課金で、見込みが薄い反響であってもきっちり1件あたりの金額を請求されます。しかしできるだけ自社サイトでの物件情報と並行して掲載するのが良いと思います。

2.自社サイト訪問者に与える信頼性

不動産仲介の場合、同じ物件を複数の不動産会社で取り扱うことは当たり前です。A社で買うのが嫌ならB社に行けば同じ物件を紹介してもらえます。商品の取り扱い金額が大きい分、なるべく信頼できそうな会社で契約したいと思うのは当然です。それを比較するために、訪問者は自社サイトをよく見ていきます。とくに会社概要や代表者を含む社員紹介ページが重要になってきます。このあたりの紹介を面倒くさがってはいつまでたっても競合他社には勝てないでしょう。会社案内は画像メインで作りましょう。創業何年か位は記載するべきですが、沿革や立派すぎる(堅苦しい)理念などはあまり興味を持たれません。サイト訪問者が知りたいのは、話を聞く相手の顔や考え方、取引して良かったというお客様の声、来店時に座る景色や、会社の雰囲気です。これらのページの見せ方を改善すれば、サイト訪問からの問い合わせ率(コンバージョン)がぐんと上がってくるはずです。

3.問合せのしやすさを心掛ける

最後に気を付けるべき点は、興味を持ってくれた方がすぐに問い合わせできるようにしておくということです。問い合わせフォームへの動線が複雑だったり、必須項目が多すぎて離脱してしまっては勿体ない限りです。このあたりは大手ポータルサイトの問い合わせフォームが参考になるでしょう。

物件紹介ページを作りたい

物件紹介はポータルサイトで十分という考え方がありますが、正直言ってそれも正解です。自社ホームページで物件を紹介するのは登録の手間が非常にかかりますし、更新し続けるパワーが無いとすぐに挫折します。これは多くの業者さんがそうなるのを見てきましたから断言できます。しかし、継続できれば、安定した集客ツールになるのも間違いありません。ポータルサイトで掲載しきれない情報やコメントを載せたりするのももちろん有効ですが、それより、物件詳細ページを起点にして他の(問合せを得るための)コンテンツに誘導する入口をどう作るか、または物件詳細ページ自体にどう埋め込むか、を意識すると良いでしょう。

売却依頼(物上げ)を増やしたい

売却依頼はこれだけで別サイトを作っている不動産会社もあり、奥が深い(難易度の高い)テーマです。売却ニーズのある人を訪問させるには「〇〇市 不動産売却」などのキーワードで検索上位をとる必要がありますが、近年このようなビッグワードで検索上位を取るのはほぼ不可能でしょう。ネットはもちろんですが、アナログ媒体も駆使して集客する必要がありますが、費用をかけずに効果を出していくのは非常に厳しいでしょう。グーグル広告などの「リスティング広告」を使ってある程度強引にアクセスを得た上で、その先の訪問ページに査定依頼を送信してもらう仕組み作りが必要になります。実はここにもひとつハードルがあり、無料一括査定サイトや、大手不動産会社の査定依頼ページが無数に存在する中で、あなたの会社を選択する明確な理由をアピールしなければいけません。「〇〇なら他社には絶対負けません!」という内容をこれでもかとアピールし、「じゃぁ、ここにも問い合わせてみるか、、」まで思ってもらえれば成功でしょう。

エンドユーザーの信頼度をアップしたい

前項の売却依頼にも通じますが、せっかくのアクセスがあっても、訪れたページがイマイチでは10秒で離脱されて終了です。まず、問い合わせしても良いと思われる最低限の信頼度が必要で、これは、トップページ、会社案内、最低限の物件紹介ページがあれば良いでしょう。

できればもう一歩踏み込んで、更に問い合わせ率をアップしたいところです。具体的には、個人のキャラクターを様々な角度で露出させてピンポイントで信頼度を突き抜けさせる、とか、今までの取引からクチコミを作るとか、査定方法や提示書類などを超細かく説明するとか、日々のブログで良い会社の雰囲気を見せるとか、社長や社員が専門的で良心的な記事を書いているとか。そのあたりにかける人材とパワーがあるのであれば是非チャレンジしてみると良いでしょう。

取引業者へのアピール度をアップしたい

不動産売買仲介の場合、ホームページのコンテンツが影響する取引業者というと売主系の業者や金融機関などでしょうか。正直なところいずれも最低限の体裁さえ整っていればあまりクオリティにはこだわる必要はないかと思います。強いて言えば、取引事例を掲載することによって少し信頼度は上がるのかなと思います。

良い人材を獲得したい

不動産業界は、残念ながら昔から人気業種とは言えず、どちらかというとダークな印象すらある業種でした。今はそのあたりのイメージもだいぶ改善されたと思いますが、土日も営業、お客さんの都合に合わせて残業や休日出社もあり、など、特に若い世代にとっては第一候補の選択肢には入りずらい業種といえます。給与体系もインセンティブ(歩合)の割合が多いため離職率も高めで、同一人物が業界内を転々としがちです。そんな中でも、実は働きやすい、人間関係も良好、無理のない給与体系、ある程度休みの融通もきくなど、求職者にアピールできる部分はしていかなくてはいけません。物件探しがきっかけで会社が気に入り入社するケースも実際にあるのです。

社員紹介、仕事中の雰囲気、仕事内容など可能な限り露出していきましょう。動画で見てもらうのも非常に効果的です。youtubeの活用を語りだすと長くなりますのでそれば別の機会にします。

最後に

上記が不動産売買仲介業者がサイト作成時に注意するポイントの主な点となります。本質的にあくまで私の経験に基づく主観ですので参考程度にお読みください。

 

 

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