物件登録メンテナンスで疲弊しないために
不動産賃貸の仲介会社がホームページを作成する際に気にするべきポイントをお話したいと思います。
不動産賃貸会社のホームページの場合、最初に思い浮かぶのが「物件掲載」です。規模や取扱件数にもよりますが、いずれにしてもウェブサイトに物件情報を掲載するということは、その物件情報を登録(入力)しなければなりません。
販売商品と違い、在庫という概念がありませんから、公開した物件が決まってしまえば情報をしばらくの間(再び同室が空室になるまで完全に非公開にしなければなりません。
管理会社からは毎週山のような空室情報が送られてきて、決まってしまった部屋もたくさん発生します。このメンテナンスが大変です。スタッフは新着物件の写真が無ければ撮影に出向かなければなりませんし、文字入力系の作業も膨大です。
一定数(数百件程度)以上の物件を公開している賃貸仲介会社なら、このような物件登録は、通常大手ポータルサイトのプラットホームを利用するか、一か所のデータベースから各媒体へコンバートしています。
つまり、自社ホームページに物件登録システムがあったとしても、それだけのために入力の手間をかけることが難しいのが現状なのです。
上記のような状況を踏まえたうえでどのようなホームページの作り方が好ましいかを考えていきたいと思います。
公開物件数が300件以上ある場合
いちおう公開物件数300件という区切りをつけましたが、会社によってこのラインは前後すると思います。
このくらいの数があると、物件入力はなるべく1か所に集約したくなります。つまりポータルサイトに物件登録して、再び同じ物件をホームページにも入力するという二度手間ができなくなってきます。
大手ポータルサイトや賃貸管理ソフトなどを使用していればだいたい「物件連動型ホームページ製作」のサービスがあると思います。正直言ってこれが一番効率良く、自社サイトに素早く物件を公開できる手段です。
もしwordpressの使用にこだわるのであれば、「不動産プラグイン」という優れた専用プラグインがあります。このプラグイン自体は無料で公開されていますが、通常の使用ですとやはり他媒体と自社ホームページとの重複登録が必要になります。
これを避けるために、さらに外部データベースと連携するプラグイン(有料)が追加で必要になります。「不動3之助」などと連携が可能なようです。wordpressのブログと併用するのであればお金をかけて使う意義があるかもしれません。
公開物件数が100件未満の場合
こちらもあくまで目安で100件という意味合いですが、要は「他媒体と二重登録になっても頑張れる範囲」です。こちらの場合は先述のwordpressを積極的に使用していくべきだと思います。
自社管理物件だけ公開するのが目的、とか事業用物件のみで取り扱いが少ない、などの場合はちょうど良いでしょう。
wordpressのプラグインである「不動産プラグイン」の導入や設定については別の機会に触れようと思いますが、無料の範囲だけでもかなり細かい設定ができます。wordpress標準のテーマに対応しているのも嬉しいポイントです。webに詳しい社員がいる場合は自社導入にチャレンジしてみるのも良いかもしれません。
物件公開数にかかわらず取り組むべきこと
そして本題
先程からwordpressばかり推している気がしますが、本題はここから先と言っても過言ではありません。
実を言うと、大手不動産ポータルサイトもただ掲載するだけで問い合わせが取れるほど甘くありません。写真点数を最大評価枚数まで登録したり、パノラマや動画などのオプションを導入(課金)したりして、本気で取り組むと非常にコストとスタッフの体力を消費します。
通常の物件情報とは切り口を変えた内容を発信する
それと同じ環境を自社サイトに構築して同じような内容を登録してもメリットが少ないのは明白です。ポータルサイトには掲載できないような情報を発信していくこと、もっと言えば切り口を変えたところからアクセスを呼び込んで成約に繋げていきます。
まずはいくつかの特化した題材を決めましょう。どこのエリアの、どういう人だったらウチのお店に来れば情報が揃っているというものです。それが決まったらその題材にまつわるブログ記事を書きましょう。直接不動産と関係なくてもOKです。
具体例
例えば、
「○〇区で家庭菜園ができる物件」にめちゃくちゃ強い不動産屋になる!
と決めたとします。(ちなみに今日現在、既にこのテーマの記事は散見しますが、まだ記事数で押し切れる範囲の気がします。が、実践しても保証は致しかねます。)
その次に、賃貸物件で家庭菜園をやるにあたり、
- どのような物件なら可能なのか
- やってはいけない場所はどこか
- 物件使用的な見地からの注意点
- 適している作物
- 家庭菜園の準備するもの
- 植物ごとの栽培のコツ
- おすすめのお店
など、思いつくままに書くのも良いですし、キーワードツールなどを使って関連ワードを深掘りしていくのも良いでしょう。
更に、SNSを使って入居者の栽培事例を公開していけば、不動産屋としては完全に他社と差別化できるでしょう。
最初は超頑張って、できれば100記事、無理そうでも最低30記事は作成してください。1記事あたり1000文字程度は文章を書いてください。本当に継続できれば光が見える可能性は高いと思います。
まとめ
私のクライアント様でも、とあるテーマでブログ集客に成功した賃貸仲介業者様が実際にいます。ポータルサイトよりも問い合わせ数が多い時もあります。
確かに手間はかかります。でもそれは物件登録作業するにしろ、事業を遂行する上で避けては通れないのだと思います。